前職はシステムエンジニアでしたが、独立してプログラミングスクールを立ち上げようと決意したとき、周囲からは「安定を捨てるのか」とずいぶん心配されました。開業資金も限られていたため、教室と呼べるようなものはなく、ワンルームマンションの一室にノートパソコンを並べただけの環境からのスタートでした。最初の生徒さんは転職を目指す二十代の方で、深夜まで一緒にコードを書いた日々は、今も鮮明に思い出せます。
軌道に乗り始めたのは、オンライン受講にも対応し始めた三年目からでした。地方や海外からの受講希望者が増え、時差を考慮した授業枠を組む必要が出てきたのです。当初はメールと表計算ソフトだけで受講枠を管理していたのですが、時差の計算を間違えて授業を二重に組んでしまい、片方の生徒さんを長時間お待たせしてしまうという痛恨のミスを犯したこともあります。深夜に平謝りのメールを送った記憶は、今でも胸が痛みます。この失敗をきっかけに、講師陣と話し合い、スクール 予約システムを本格的に導入することにしました。タイムゾーンの自動変換機能のおかげで、海外の受講生とのやり取りが格段にスムーズになり、あの夜のような失敗は二度と起きていません。
今では卒業生の中からエンジニアとして活躍し、後輩に技術指導をしてくれる人も出てきました。あの狭いワンルームで感じた手探りの緊張感が、今の教室づくりの根っこにあると、折に触れて思い出しています。