未来はSFだったりして

某銀行がAIで人の将来性? を査定しているというネット記事を読んだ。昔、そういうSFショートショートがあったな。現在の状況(通っている学校や成績など)から将来どこまで出世するのかを算出するという。


もちろんこれはそんなのじゃなくて、要するに現状でどれくらい融資出来るのかを計算するエキスパートシステムだ。AIなんてもんじゃない。何でもかんでもAIと言えばいいと思っているんだろうな。


でも確かに、銀行がその人にどれだけ融資出来るか、というのは現在の状況から計算出来る。所有資産や土地、保証人になりそうな親類、あるいはご本人が務めている会社やそこでの地位、給料なんかは融資額決定に必要な条件だ。


つまりこれ、ちょっと前に噂になった「銀行が大量の内勤社員をリストラする」という原因になったAIなんだよ。逆に言えば、リストラされる社員はこの程度のシステムにとって替わられる程度の仕事しかしてなかったと。

 
もちろん話はそう簡単ではない。数字だけでは社会が動かないのと一緒で、現在の状況だけでは将来は判らない。会社が倒産するかもしれないし、親が認知症になるかもしれない。持っている土地で土砂崩れが起きたり津波が襲ってきたりするかもしれない。

 


だが、そういう条件ってビッグデータを使ってどんどん詰めていくと、かなり詳細に分析出来てしまうものなのだ。入力された数字が正しければだけど。そう、本当の問題は人間は嘘をつくということだ。

 


意識してだけではない。つい希望的観測で応えてしまったり、いいかげんな数字を入れたり、あるいは単に間違えたりする。もしそう思い込んでしまっていたら嘘発見器にもかからない。

 


だがそれもまた、AIによって修正出来るんだよなあ。統計的な手法を用いてマスで計れば驚くほど正しい数字が出てくる。個々の例では間違っていたとしても、全体的にみればつじつまがあっていたりして。

 


そして銀行というか組織はそれで十分なのだ。誰かが損して誰かが得しても、平均すれば正しい。それを是正するのが人間の担当者だったんだが、AIになってしまったらそれもなくなるな。

 


未来はSFだったりして。